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2014/01/04

仁義なき戦い

戦後の広島・呉を舞台にしたヤクザの抗争史。それを映画化したこのシリーズ。随分何度も見てきたが、元旦からWOWOWで再放送。やはり面白い。というより、これは社会学のテキストだ。組織対組織。大きい魚は小魚を食う。弱肉強食。そういう社会で、「強い」とは何か?。組織が生き延びるとは、どういう構造をとるのか?。
 そして、この物語の主人公は、菅原文太さんのヒロノなのだが、真の主役は彼ではない。金子信雄さん演ずる山森親分なのだ。八十年代、うちの友達のなかでもこのシリーズはハヤッタが、やっぱり痺れたのは「山森親分」。なんつったって、最低である。恥知らずである。卑怯の大王である。そして、カッコイイ菅原文太は、その任侠道の美が、結局向かうのが監獄であり、消耗して使い捨てられることを見せつける、という実に世の中の凄味が描かれている。第三作の山森親分は絶品で、落語の師匠のようだ。必見ぜよ。