メールアドレス : masumurahiroshi1952@gmail.com

2013/11/07

鉛色の紅葉

紅葉の道を車で走らせると 落ち葉が魚が跳ねるように舞い上がる。奥羽の山並みの色彩は美しいのに それが薄く遠くのように見える。心ここに非ず。こんな気持ちで今まで何度か帰郷した。友達の死や親戚の死。走りながら頭の中は 鉛色のなかに居る。生きているということは、こうした心象のなかを通過することでもあるのだ。故郷で体験した時間が渦巻いて落ち葉と一緒に舞っている。短い蝋燭のような命。紅葉の薄さのなかに死が点在していた。